スーツケースで持ち運べる展示什器「旅するKOPPA」の完成から約一年。Team KOPPAとのゆるやかに続く協働で新たに誕生したのが「ステージKOPPA」です。2020年11月にワコムが開催したイベント「コネクテッド・インク2020」で使用する舞台として制作されました。多様な場面に応じて、形や役割を変化させるステージKOPPAは、イベントが終わった後も場所を変えて使い続けられ、そこで起こるさまざまな物語をつないでいます。
さまざまに形を変えるステージ
丸、三角、四角など、形や大小の異なるピースを積み重ねて、ひとつの大きな舞台となるステージKOPPA。コネクテッド・インク2020のテーマ「創造的混沌」を体現し、ピースの組み合わせ方次第でその姿を自在に変化させます。イベント当日、ステージKOPPAで行われたセッションは5つ。多彩なテーマやスピーカーに合わせて、5つの異なる形のステージが登場しました。
役割も変幻自在
ステージKOPPAを構成するひとつひとつのピースは、ステージとしてのみならず、セッションを観覧するための椅子やテーブルとして、セッションの合間に休憩するベンチとして、場面に応じてその役割も変化させます。また、ピースごとに大きさや高さもさまざまなため、重ねる台数を調節すれば、ハイスツールにもロースツールにもなります。端材に新たな意味や役割を見出すTeam KOPPAの発想で、舞台という役割にこだわらない寛容な使い方が可能になりました。
過去、現在、未来へと続く物語
旅するKOPPAからも引き継ぐのは、どこから始まってどこへ行くのかという、過去、現在、未来が線のようにつながっていく物語。ステージKOPPAは、建築現場の端材・解体材だけでなく、京都にある美術館の企画展やイベント「夷川サローネ」で使われた木材を再利用しています。木材自体が循環すると同時に、木材が共にしてきた物語も重ね合わせ、コネクテッド・インク2020でステージとして登場しました。ステージKOPPAは、舞台としての役目を終えた後も、ピースごとに場所や用途を変えて使い続けられています。2021年11月、ステージKOPPAがどのような物語と共に再びコネクテッド・インク2021の会場へと戻ってくるのか、楽しみです。
©伊藤維建築設計事務所 |
家具からステージへとスケールを大きくしてやってきた「ステージKOPPA」。そこに集まったものが、いろいろな所へと散らばって、さまざまな場所でまたつながっていってほしいというTeam KOPPAの想いが込められています。
伊藤維 |
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