ワコムの本社がある埼玉県加須市に「FC KAZO」というフットボールクラブがあります。「加須市から世界へ」をチームの理念に掲げ、サッカーをはじめとするスポーツを通じて、地域の方々との活動に取り組んでいるFC KAZO。ワコムはその理念に共感し、2019年度からオフィシャルパートナーとしてチームの活動を支援しています。サッカーを通じたワコムの新たな取り組みについて、プロジェクトを担当する見田佳則と鎌塚俊に話を聞きました。
FC KAZOのパートナープログラムに参加したきっかけを教えてください。
見田:
ある日、FC KAZOさんが本社を訪ねてきたんです。加須市にこんなにユニークな企業があるのか、ぜひパートナーとして支援願えないかということでした。企業が地域のサポーターを巻き込み、サッカークラブを育てていくといった事例がありますが、FC KAZOでも同様のコンセプトを大切にしています。特に、地域でのボランティア活動やイベントを率先して行い、地元の人たちと一緒にチームを育てていきたいというオーナーの意気込みに強く共感しました。ちょうど会社で社内提案による事業を支援するプログラムの発表があり、総務という立場からも地域のために何か活動に取り組みたいと考えていた時でした。FC KAZOと共に活動することで地域とのつながりを深め、将来的に公共団体や自治体、教育の場面でもワコム製品を使ってもらうことができるのではないかと考え、セールスチームの鎌塚と一緒にプロジェクトを企画することになりました。
鎌塚:
社会貢献活動に興味があり、ワコムもそういった取り組みを進めるべきだと思っていたので、すぐに参加を決めました。自身に子どもが生まれ、FC KAZOが取り組む子ども向けの活動に共感したこともきっかけです。会社として教育の分野に取り組むことの必要性を感じていたこともあり、事業としても何かできるのではないかという思いもありました。
見田:
鎌塚と私はもともとセールスチームで一緒に仕事をしていたことがあり、二人とも社のサッカー部に所属しています。鎌塚は埼玉にもゆかりがあって、このプロジェクトにぴったりの人材でした。
鎌塚:
条件が揃いましたね(笑) 自分ともつながりがあって、やりがいを感じています。
オフィシャルパートナーの活動について教えてください。
見田:
さまざまなパートナープログラムがあったのですが、今回はスタッフジャージへのロゴ掲載という支援の形を選びました。
鎌塚:
スタッフジャージというのが重要なんです!ユニフォームではだめなんですよね。
見田:
そうですね。FC KAZOは、保育園や幼稚園でサッカー教室を開催したり、イベントに参加したり、加須市の地域事業に積極的に取り組んでいます。そういった活動を支えているのがスタッフのみなさんです。地域の人たちにより近いところで支援につながるのがスタッフジャージだと考えました。ワコムのことを地域の方々にもっと知ってもらいたいという思いもありました。
オフィシャルパートナーのプログラムを越えて、新たな取り組みを提案したそうですね。
見田:
はい、サッカー大会の会場で製品展示をさせてもらえないかという提案をしました。ワコムのテクノロジーでFC KAZOをもっと強くしたいという思いがあります。昔ワコムで「VisiCoach」という液晶ペンタブレットを作っていて、 サッカーなどスポーツのコーチングに使われていました。この端末を活用すれば、実際の試合映像を見ながら、作戦指示をその場で書き込むことができます。今はドローンもあるので、空中から試合を撮影してフォーメーションの見直しにも使えるのではないかなど、新しいアイデアも含めてお話しました。FC KAZOのオーナーも、海外のサッカーチームがITを活用してチームを強化していることをご存知でしたので、興味を持っていただけたのではないかと思います。そして、2019年夏の少年サッカー大会で製品展示が実現しました。
サッカー大会での製品展示への反応は?
鎌塚:
2019年7月に開催された小学5年生のサッカー大会で、初めて屋外での製品展示に挑戦してみました。子どもたちは製品体験をとても喜んでくれました。みんな夢中になって、コーチに怒られるまで触っていました。
見田:
本当に素直に楽しんでくれていました。チームメイトや違うチームの子たちも、絵を描き出すと皆すぐ仲良くなり、体験コーナーが和気あいあいとしていました。初めて屋外で展示をしたので、電力が足りないという予想外のこともありましたね(笑)
鎌塚:
液晶ペンタブレットを6台くらい持って行ったのですが、結果2台しか展示できませんでした。風が強くて看板が置けなかったり、日差しも強かったので、画面が見えやすいように製品の展示場所を考えたり、工夫が必要でした。でも、たくさんの子どもが集まってくれて。絵だけでなく字でも表現して、何でもいいから描きたいという気持ちがあふれていました。
見田:
ワコムのことは全然しらなくて、もっと体験をして欲しかったのですが、どうしても電力が足りませんでした(笑)
今後の目標は?
鎌塚:
ワコムの社員としても、個人としても、もっとこのプロジェクトに関わっていきたいと思える関係をFC KAZOと作っていきたいです。次回はより大きな大会での製品展示が決まっていて、社内でプロジェクトメンバーの増員も予定しています。
見田:
開発など他の部署のメンバーも増やしていきたいですね。社内にも活動を浸透させていけたら面白いなと思っています。それから、サッカーをきっかけに、加須市のみなさんにもっとワコム製品を知ってもらい、使ってもらえたら嬉しいです。本社がある加須市に継続して貢献していきたいです。
鎌塚:
FC KAZOの「7年計画」もありますしね!順調にいけば7年後、Jリーグのトップチームになっているかもしれないです。
見田:
「7年計画」をぜひ実現してもらいたいですね。将来も見据えて、FC KAZOと一緒にチームと地域を育てていけたら最高です。