クリエイティブのプロフェッショナルにとって、優れた色精度のディスプレイを使い、制作過程全体で同じ色味で制作することは、非常に重要です。制作現場では、毎回、色を設定し直している暇はなく、最初から最後まで徹底したカラーマネジメントが必要です。複数の拠点で働くチームメンバーが仮想化環境で制作するにも、デバイスやアプリに依存することなく常に信頼できる色再現性の確保が大切です。モニターの表示色を印刷物やウェブなどの最終製品の色に一致させるのは、どのクリエイターにも共通の事項です。Wacom Cintiq Pro 17/22/27なら、制作の要であるカラーマッチングに配慮したワークフローを構築できます。
写真やイラスト、映像制作、デザインなどのクリエイターにとって、納得のいく作品を効率よく制作し仕上げていく上で、また疲れ目を防ぐ意味でも、高品質のディスプレイは欠かせません。ここでは、新世代Cintiq Proの画期的な性能を紹介します。
10 億 7374 万色
新しいCintiq Proはすべて10 bitカラーのディスプレイで、赤・緑・青のチャネルごとに1,024色を提供します。つまり、ビット深度は合計30 bppで、10 億 7,000 万色の色数を表現できます。難しいカラー グレーディングをクリアし、精密な色合わせが可能です。色深度が高いほど奥行きが出て、色遷移や混色が滑らかになり、バンディングも防げるので、10 bitカラーは数多くのワークフローで役立ちます。
ハードウェアのキャリブレーション
新しい Cintiq Pro は、工場出荷時に上記の色域規格に基づいて色校正されています。使用開始後に定期的に校正し直すのにはWacom Color Manager(WCM)が便利です。WCMを使えば、製品寿命を通じて最高の色精度を維持し、カスタム色域について色校正することができます。
プロ仕様の色域
クリエイティブ業界のプロフェッショナルは、それぞれのワークフロー、業種、使用する入稿プラットフォームに応じて、各種の色域を使い分ける必要があります。どの Cintiq Proも工場出荷時に広い色域に対する色校正を行っています。Rec. 709はHDTV向けエンコードを規定するもので、放送コンテンツの制作で最も一般的に使われている色域規格です。新しいCintiq Proはいずれも、Rec.709とそれと同じ色域をもつsRGB を100%カバーしています。DCI-P3はSMPTE (The Society of Motion Pictures and Television Engineers)により導入された映像色域で、デジタルシネマ向けの規格です。2015年、Appleが策定したDisplay P3は DCI-P3と同じ原色を使用しますが、CIE標準光源D65の白色点値を使用します。新しいCintiq Proモデルは、DCI-P3とDisplay P3の両方を少なくとも98%カバーし、Adobe RGBについても優れたカバー率をもちます。その他にもRec 2020 やEBUに対応したプリセットがあり、またHDRコンテンツ視聴用のPQモード(DCI、 Rec. 2100)やHLGモード(Rec. 2100)が用意されています。Cintiq Pro 17、22、27の仕様詳細については、リンクをクリックしてください。
色精度
ΔEが低いディスプレイは、歪みが無く正確な色を表示し、カラーキャリブレーションをしたディスプレイとの色の差がありません。工場出荷時に色差をΔE2未満に校正されているので、精密なカラーマネジメントを適用したディスプレイに比べても遜色はありません。制作用と監修用に二台のモニターを使い分けているプロフェッショナルにとっては、高精密で安定した色再現性は大きなポイントとなります。Pantone 認証を取得した新しいCintiq Proは、Pantoneが独自に実施した認証試験*で、ΔE1 .5未満の色精度を実現することが証明されています。
*sRGB、Adobe RGB、Display P3 のプリセットモードを使用した試験を実施しました。
カラーデータ処理
14 bitカラー処理に対応する新しい Cintiq Pro シリーズは、広い色域とカスタムプロファイルで精密で鮮やかな色彩を再現します。
グラフィックスやパッケージ、ブランドファッション、工業デザインなどのクリエイティブの世界で、標準の色見本として長く使われたきたパントンマッチングシステム(PMS)。新世代のCintiq ProはPantone 認証と肌色見本の Pantone SkinToneの認証を取得しています。
新しいCintiq Proは製品自体に高い色表示性能を備えていますが、別売のWacom Color Manager(WCM)を使って色校正を行うこともできます。それによって、製品を買い替えるときまで高い色精度を管理することができます。WCMソフトウェアはWCMユニットだけでなく、他の対応キャリブレーターでもお使いいただけます。WCM ソフトウェアは、以下のデバイスに対応しています。
上記デバイスのユーザーでWCMソフトウェアをご使用になりたければ、ワコムのダウンロードページからダウンロードできます。
最大表示解像度4Kに対応し、細部にこだわって作品を編集したい写真家や動画編集者のニーズに応えます。
高いペン追従性と視差をほぼ感じないのディスプレイは自然に描き続けられます。優れた視野角と高い色再現性を持つ広色域IPSパネルは、没頭感のある制作が可能に。また、仕事の後の気晴らしにゲームをするのにも適した液晶です。
ワコム史上最大の輝度を誇るCintiq Proは、作品を高精細で色鮮やかに映し出します。
HLG(ハイブリッドログガンマ)方式とPQ(知覚量子化)方式対応。HDR(ハイダイナミックレンジ)の動画コンテンツの編集に最適です。
DCI-P3及び Rec.DCI-P3やRec.2100に対応したプリセットを使って、適切な色域やガンマ値で制作。HDRコンテンツ視聴用にPQモード(DCIと Rec.2100)やHLGモード (Rec.2100)が用意されています。
アンチグレア加工ディスプレイは、紙のような程よい摩擦の自然な描き味。高光沢ディスプレイにあるようなカラー値の誤認や照明の映り込みを抑えたマット仕上げで、本来の色味をより忠実に再現し、簡単に色合わせができ、スムーズな制作が行えます。
ワコムではその企業理念として、人々がテクノロジーを自然に利用できるようなインタフェースを提供することで、人とテクノロジーの架け橋となることを追求しています。この理念のもとに、ワコムはインタラクティブに使用できるペンタブレットやペンディスプレイ、デジタルペン、電子サインの保存・処理ソリューションの分野を世界的にリードするメーカーとなっています。ワコムの直感的に使用できる入力デバイスの高度なテクノロジーは、今最も注目されるデジタルアート、映画、特殊効果、ファッション、デザインなどの制作において世界中で使われています。また、ビジネスからホームユースまでのさまざまなシーンでユーザーの個性を表現するための最先端インターフェース技術を提供しています。ワコムは1983年に日本で創業されて以来(東証1部:コード 6727)、世界的に事業を展開するメーカーとして成長してまいりました。現在、150ヶ国以上における製品の販売や流通を支えるために世界各地に子会社や関連会社を設けています。