2019年5月、東京工業高等専門学校(東京高専)機械工学科の学生を対象にマーケティングの講義を行いました。
東京高専は「早期体験重視の教育を通して、創造力・実践力・応用力の備わった技術者を育成する」ことを目指し、機械工学科では、創造性豊かな発想で機械を設計製作できる技術者の養成を行っています。ワコムでも同校の卒業生がエンジニアとして活躍しています。
講師を務めたのは、日本とアジアのクリエイティブ製品マーケティング責任者を務める矢野幸治です。ワコムでは、お客さまとの対話をもとに、心から喜んでいただける製品や技術を生み出していくことを大切にしています。今回の講義は、機械工学科・堤博貴准教授の「技術者でもマーケティングの心得が必要」という考えにワコムが共感したことから実現しました。
講義では、「誰に、何のために」というマーケティングに大切な考え方をもとに、お客さまに幸せになってもらうためにはどのようにしたらよいか、基本的なアプローチを説明しました。学生たちが「今欲しいもの」を挙げて、日々私たちがいかに企業のマーケティング施策に晒されているかをひも解いたり、製品プロモーションプランについて知恵を出し合って議論したり、全員参加型の活発な授業となりました。
真剣に議論する学生たちを前に矢野は、「将来、お客さまに製品を使って幸せになってもらうことを考えてものづくりに取り組むエンジニアになってもらえたら」という期待を込め、講義を終えました。
堤準教授からは以下のようなコメントをいただきました。
「企業とタイアップしたこのような取り組みは初めてでよい経験となりました。ペンタブレットを使ったケーススタディは、通常の座学とは違ってリアリティがあり、学生にもダイレクトに伝わったと感じます。学生たちからも、『企業のマーケティング担当者から直々の指導を受けることができ良い刺激を受けた』『一本のペンタブレットが様々な試行錯誤を経て世に出ることがわかって興味深かった』などの感想が寄せられました。今後ともこうした取り組みを進化させ、良質な教育に努めたいと思います。」