こうして完成した展示什器「旅するKOPPA」。一番の特徴は、スーツケースに入れて持ち運べること。自分たちで組み立てて、広げて、しまって、また一緒に旅に出る。壊さなくていいという安心感と壊れたら直すという約束事。「ずっとずっと長い間一緒に旅をしていきたい」と井出は語る。
井出
展示什器は、現場で作って、終わったら壊すのが主流。現場に持ち込んで、その場で組み立てて、持って帰れることに、安心感と不思議な誇らしさがありましたね。
チームメンバーの反応も面白かったです。初めてラスベガスの会場にスーツケースで運んだ時、アメリカのチームメンバーが「日本から持ってきたの?」「自分たちで組み立てるの?」「持って帰るの?」って、みんな疑問を持つんです。ストーリーを説明するとなるほどねって。環境のためにというメッセージを伝えなくても、モノから会話が生まれるのが面白かったですね。
リタ
そうそう、「製品じゃないのになんで持っていくんですか?」って言われました。
井出
構想にないわけです。什器と一緒に旅をするっていうのが。だからどうしてっていうところから始まる。
リタ
今までは製品を中心にした展示だったのですが、今年は体験を中心にしたんです。空間づくりが重要で、「旅するKOPPA」がよい味を出してくれました。不思議と会場に馴染んで引き立ててくれましたね。
井出
ラスベガスでの展示会は毎年何百人ってお客さんが来てくれるんですけど、「今年全然違うね」って言ってもらえました。一番の誉め言葉でした。
3.KOPPAのはじまり/
「旅するKOPPA」の物語につづく
Team KOPPA プロフィール
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伊藤維
建築家。伊藤維建築設計事務所代表。都市や建築から家具、インテリアまでシームレスに取り組みたいと、自身の活動の延長としてKOPPAを始めた。
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土中萌
設計事務所「Arts&Crafts」所属。KOPPAチームの企画担当。
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野崎将太
建築集団 「々」代表。大工でアーティスト。内装から芸術イベントの造作や設営まで、さまざまな作ることに携わる。
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上村一暁
「bar inspire」 店主。昼大工、夜バーテンダー。
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大木脩
合同会社生活工学研究所代表。生活の研究者。大工。
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