記者や裁判所速記官
記者は、手短なメモをすばやく作成するために、速記を使い、独自の略語を編み出すこともあります。速記法の一つであるティーライン式速記法では、よく使われる単語を記号で表します。記者は聞き取った内容を速記記号で走り書きし、後からパソコンで文字起こしをします。
裁判所速記官は、裁判傍聴にレコーダーやパソコンを持ち込めません。発言内容を一字一句漏らさずにメモするために、速記の技術が欠かせません。パソコンで打ち込むのは、後からです。速記の技術を使うほど、一分あたりにメモできる文字数は増えます。
パソコンで会話の内容を記録すると、物理的にも心理的にも隔たりができるため、話に集中できずに要点を見過ごしがちになるという研究結果が次々に発表されています。昔ながらの手書きメモをすることで、記者は事件の詳細を漏らさずに、集中して取材を続けられます。